第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題3

関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準)による基本軸と移動軸で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 肩内転
  2. 肩甲帯伸展
  3. 前腕回内
  4. 足部外転
  5. 膝伸展

解答解説

正解は2.肩甲帯伸展 と 3.前腕回内です。

関節可動域測定法では、各関節の動きにおいて基本軸と移動軸が定義され、これに基づいて可動域を測定します。正しい基本軸と移動軸の設定が必要です。以下、それぞれの選択肢について解説します。

選択肢の解説

  1. 肩内転
    誤りです。図に示されているのは肩内転ではなく肩内旋の動きです。肩内旋の場合、基本軸は体幹に対して垂直な線で、移動軸は上腕骨に沿う線が設定されますが、図は基本軸と移動軸が正確に一致していません。そのため、この選択肢は不適切です。
  2. 肩甲帯伸展
    正しいです。 肩甲帯伸展では、基本軸が体幹の垂直線に沿い、移動軸は肩甲骨の動きに沿う線で設定されます。この図では、基本軸と移動軸が正しく示されており、適切な可動域測定法に基づいています。
  3. 前腕回内
    正しいです。 前腕回内の可動域測定では、基本軸は上腕骨に沿う線、移動軸は前腕(橈骨)の動きに沿う線が設定されます。図はこの基準に合致しており、前腕回内の測定法として適切です。
  4. 足部外転
    誤りです。足部外転の場合、基本軸は下腿中央の線、移動軸は足部(第2中足骨に沿う線)が基準となりますが、図では基本軸と移動軸が正確に設定されていません。このため、不正解です。
  5. 膝伸展
    誤りです。膝伸展では、基本軸は大腿骨に沿う線、移動軸は腓骨に沿う線が設定されますが、図は基本軸と移動軸の設定が不十分であり、正しい測定法に基づいていないため、不正解です。

ワンポイントアドバイス

関節可動域測定では、基本軸と移動軸の設定が非常に重要です。 基本軸は体の解剖学的な基準に基づき、移動軸は動きに合わせて正確に設定する必要があります。試験では図の動作が何を示しているか、基本軸・移動軸が正確に定められているかを見極める力が求められます。