第56回

第56回理学療法士国家試験 午後問題11

60歳の男性。2型糖尿病。身長170cm、体重90kg。心肺運動負荷試験を行ったところ最高酸素摂取量が2,625mL/分であり、この60%相当の運動強度を処方された。METsで適切なのはどれか。

  1. 8METs
  2. 7METs
  3. 6METs
  4. 5METs
  5. 4METs

解答解説

正解は4.5METsです。

METs(Metabolic Equivalents)は、安静時の酸素摂取量を基準(1MET = 3.5mL/分/kg)にした運動強度の指標です。この問題では、最高酸素摂取量の60%に相当するMETsを計算する必要があります。

選択肢の解説

  1. 8METs
    8METsは、最高酸素摂取量のほぼ100%に近い高強度運動を示します。この男性の場合、60%相当には該当しません。この選択肢は誤りです。
  2. 7METs
    7METsは最高酸素摂取量の約80%に該当し、中高強度の運動となりますが、60%相当には当てはまりません。この選択肢は誤りです。
  3. 6METs
    6METsは最高酸素摂取量の約70%に相当します。これも今回求める60%相当の運動強度ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. 5METs
    計算より、最高酸素摂取量の60%に該当する運動強度が5METsです。正解です。
  5. 4METs
    4METsは最高酸素摂取量の約50%に相当し、今回の60%相当より低い運動強度です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

METsの計算では、1MET = 3.5mL/分/kgが基本であることを覚えておくことが重要です。また、糖尿病患者や肥満患者の場合、運動処方では中等度(40~60%)の運動強度が推奨されることが多いです。METsの計算プロセスを理解しておくと、国家試験や実務に役立ちます。