第56回

第56回理学療法士国家試験 午前問題2

心電図別冊No.1を別に示す。心室性期外収縮はどれか。

解答解説

正解は2.②です。

心室性期外収縮(PVC: Premature Ventricular Contraction)は、心室が異常に早く興奮し、不整脈を起こす状態です。心電図での特徴は以下のとおりです。

  • PVCの主な特徴
  1. 幅が広く、異常な形をしたQRS波
  2. 正常なP波が伴わない
  3. PVC後に代償性休止(正常な心拍間隔より長い休止)が見られる

②の波形では、広いQRS波形が見られ、P波がないことから心室性期外収縮と判断できます。

選択肢の解説


  1. 正常な洞調律(P波、QRS波、T波が規則正しく並ぶ)です。心室性期外収縮の特徴である幅広いQRS波や代償性休止は見られません。

  2. 正解です。 広いQRS波形があり、P波が伴わないことから心室性期外収縮と判断できます。

  3. 規則的な洞調律が維持されており、PVCに特有の幅広いQRS波形はありません。正常な心電図です。

  4. 連続した幅広いQRS波が見られることから、心室頻拍(VT: Ventricular Tachycardia)が疑われます。これはPVCが連続して発生した場合の状態であり、PVC単独ではありません。

  5. 正常な洞調律です。PVCの特徴である幅広いQRS波や代償性休止は見られません。

ワンポイントアドバイス

心室性期外収縮(PVC)は、心電図の異常波形の中で比較的よく見られる不整脈です。 早期発見には、QRS波の幅や形状、P波の有無、代償性休止の有無を注意深く確認することが重要です。連続して発生する場合、心室頻拍などの重篤な状態に進展する可能性があるため、速やかな対応が求められます。