抗コリン薬の作用で生じにくいのはどれか。
- 尿 閉
- 便 秘
- 流 涎
- せん妄
- めまい
解答解説
正解は3.流涎です。
抗コリン薬は、副交感神経の作用を抑制する薬剤であり、その結果、唾液分泌の低下、腸蠕動の抑制、膀胱筋の弛緩などの効果が現れます。唾液分泌の抑制によって口渇が生じるため、流涎(唾液が多く分泌されること)は生じにくい特徴があります。
選択肢の解説
- 尿閉
抗コリン薬は膀胱平滑筋を弛緩させるため、排尿困難や尿閉を引き起こします。この選択肢は生じやすい作用です。 - 便秘
抗コリン薬は腸の蠕動運動を抑制するため、便秘がよく見られる副作用です。この選択肢は生じやすい作用です。 - 流涎
抗コリン薬は唾液腺の分泌を抑制するため、流涎は生じにくく、むしろ口渇が主な副作用となります。この選択肢が正解です。 - せん妄
中枢神経に作用する抗コリン薬では、せん妄や混乱が副作用として現れることがあります。特に高齢者ではこの症状が顕著になることがあります。この選択肢は生じやすい作用です。 - めまい
抗コリン薬の中枢作用により、めまいが副作用として現れることがあります。この選択肢は生じやすい作用です。
ワンポイントアドバイス
抗コリン薬の主な作用と副作用を覚えましょう:
- 副交感神経抑制の主な作用:
- 唾液分泌抑制(口渇)。
- 膀胱平滑筋弛緩(尿閉)。
- 腸蠕動抑制(便秘)。
- 瞳孔散大(視覚障害)。
- 中枢神経への作用:せん妄、めまい。
これらの副作用は薬剤の種類や患者の年齢によって異なるため、臨床現場での注意が必要です。