Guillain-Barré 症候群について正しいのはどれか。
- 高頻度に再発する。
- 痙性麻痺が中核症状である。
- 運動麻痺は一側性に進行する。
- 髄液に異常所見が認められる。
- ステロイドパルス療法が有効である。
解答解説
正解は4.髄液に異常所見が認められるです。
Guillain-Barré症候群(GBS)は、末梢神経が自己免疫的に障害される疾患で、進行する運動麻痺が特徴です。髄液検査では、蛋白細胞解離(髄液中の蛋白濃度上昇と細胞数の正常)が典型的な所見として認められます。
各選択肢の解説
- 高頻度に再発する。
誤り。GBSは再発することは少なく、多くの場合単回のエピソードで改善に向かいます。ただし、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)は再発を繰り返すことがあります。 - 痙性麻痺が中核症状である。
誤り。GBSの運動麻痺は、下位運動ニューロン障害による弛緩性麻痺が特徴です。 - 運動麻痺は一側性に進行する。
誤り。GBSの運動麻痺は通常両側性で対称性に進行します。多くの場合、下肢から上肢へと上行性に広がります。 - 髄液に異常所見が認められる。
正解。GBSでは、髄液検査で蛋白細胞解離(蛋白濃度上昇、細胞数正常)が認められます。この所見は診断の一助となります。 - ステロイドパルス療法が有効である。
誤り。GBSでは、ステロイドパルス療法は効果がないことが知られています。代わりに免疫グロブリン療法(IVIG)や血漿交換療法が有効とされています。
ワンポイントアドバイス
Guillain-Barré症候群の特徴を押さえましょう:
- 症状:対称性の運動麻痺(弛緩性)、感覚障害、呼吸筋麻痺の可能性。
- 診断:髄液蛋白細胞解離、神経伝導検査の異常(伝導ブロック)。
- 治療:免疫グロブリン療法、血漿交換療法(早期治療が重要)。
- 予後:通常数週~数ヶ月で回復するが、一部に後遺症が残る場合もあります。
適切な治療と早期診断が回復に大きな影響を与えます。