痛風について正しいのはどれか。
- 女性に多い。
- 80代に多い。
- 多臓器に症状を起こす。
- るいそうに合併しやすい。
- ピロリン酸カルシウム結晶が関節に沈着する。
解答解説
正解は3.多臓器に症状を起こすです。
痛風は、尿酸の代謝異常によって血中尿酸値が上昇し、関節炎をはじめとする様々な症状を引き起こします。尿酸塩結晶は関節だけでなく腎臓などの臓器にも沈着し、腎障害や尿路結石などを引き起こすため、多臓器に症状を及ぼす疾患です。
各選択肢の解説
- 女性に多い。
誤り。痛風は男性に多く、特に中高年の男性に多発します。女性では閉経後に発症リスクが上がりますが、それでも男性に比べて頻度は低いです。 - 80代に多い。
誤り。痛風は主に30~60代の男性に多くみられます。高齢者には比較的少ない疾患です。 - 多臓器に症状を起こす。
正解。痛風では、尿酸塩結晶が関節だけでなく腎臓などにも沈着し、痛風腎や尿路結石などの臓器障害を引き起こします。 - るいそうに合併しやすい。
誤り。痛風はむしろ肥満や代謝異常に関連が深く、るいそう(痩せすぎ)とは関係がありません。 - ピロリン酸カルシウム結晶が関節に沈着する。
誤り。ピロリン酸カルシウム結晶が関節に沈着するのは、偽痛風(CPPD:カルシウムピロリン酸二水和物沈着症)であり、痛風では尿酸塩結晶が沈着します。
ワンポイントアドバイス
痛風の病態と臨床的特徴を押さえましょう:
- 原因:尿酸の代謝異常(プリン体代謝の過剰、排泄障害など)。
- 好発部位:足の第一中足趾節関節(ポドグラ)。
- 関連疾患:肥満、高尿酸血症、糖尿病、高血圧などのメタボリックシンドローム関連疾患。
- 合併症:痛風腎、尿路結石。
痛風と偽痛風を区別する要点も確認しておきましょう。