見捨てられ不安を特徴とするのはどれか。
- 依存性パーソナリティ障害
- 演技性パーソナリティ障害
- 回避性パーソナリティ障害
- 境界性パーソナリティ障害
- 自己愛性パーソナリティ障害
解答解説
正解は4.境界性パーソナリティ障害です。
境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder:BPD)は、対人関係や自己イメージ、感情の不安定さが特徴の障害です。特に「見捨てられ不安」が強く、対人関係で相手に対する理想化や過剰な期待を抱いたかと思えば、些細なきっかけで怒りや失望を感じて関係を断とうとするなど、極端な行動を示すことがあります。また、自己破壊的行動や衝動性も見られることがあります。
選択肢の解説
- 依存性パーソナリティ障害
誤りです。依存性パーソナリティ障害では、他人に対する過剰な依存が特徴で、自分で決定することを避ける傾向がありますが、「見捨てられ不安」というほどの強い不安や衝動的な行動はあまり見られません。 - 演技性パーソナリティ障害
誤りです。演技性パーソナリティ障害では、人の注目を引きたがる行動や感情表現の過剰さが特徴です。見捨てられ不安というよりも、他者に注目されないことに対する不安が主です。 - 回避性パーソナリティ障害
誤りです。回避性パーソナリティ障害では、批判や拒絶を恐れるあまりに人との接触を避けようとする特徴がありますが、見捨てられ不安ではなく、むしろ関係を持つこと自体を避ける傾向があります。 - 境界性パーソナリティ障害
正解です。境界性パーソナリティ障害の代表的な症状が「見捨てられ不安」です。これは、対人関係の問題の中心的要素であり、強い不安や怒りを伴って衝動的な行動を引き起こすことがあります。 - 自己愛性パーソナリティ障害
誤りです。自己愛性パーソナリティ障害では、他者からの賞賛や特別扱いを求める特徴がありますが、見捨てられることへの不安というよりも、自分が特別視されないことへの不満や怒りが主です。
ワンポイントアドバイス
境界性パーソナリティ障害では、見捨てられ不安が非常に強く、それが対人関係や行動に大きな影響を与えます。患者の感情的な揺れや衝動的な行動を理解するには、この不安が根底にあることを押さえておくことが重要です。また、他のパーソナリティ障害と症状を区別するため、特徴的な行動や考え方を整理して覚えましょう。