第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題80

Erikson による幼児期の心理的発達課題はどれか。

  1. 自律性の獲得
  2. 勤勉性の獲得
  3. 愛着関係の形成
  4. 自我同一性の確立
  5. 同年代との親密な関係の構築

解答解説

正解は1.自律性の獲得です。

エリクソンの心理社会的発達理論によれば、幼児期(1歳半~3歳頃)は「自律性 対 恥・疑惑」の段階にあります。この時期の課題は、自分の行動をコントロールし、自律性を確立することです。失敗すると、恥や自己疑惑を感じやすくなります。

各選択肢の解説

  1. 自律性の獲得
    正解。この段階では、自分で何かをする力を身につけ、自立心を育てることが重要です。親の適切な支援が自律性を促進します。
  2. 勤勉性の獲得
    誤り。勤勉性の獲得は学童期(6~12歳頃)の課題であり、エリクソンの「勤勉性 対 劣等感」の段階に該当します。
  3. 愛着関係の形成
    誤り。愛着の形成は乳児期(0~1歳半頃)の課題であり、エリクソンの「信頼感 対 不信感」の段階に該当します。
  4. 自我同一性の確立
    誤り。自我同一性(アイデンティティ)の確立は青年期(12~18歳頃)の課題であり、エリクソンの「アイデンティティ 対 同一性拡散」の段階に該当します。
  5. 同年代との親密な関係の構築
    誤り。親密な関係の構築は若年成人期(20~30歳頃)の課題であり、エリクソンの「親密性 対 孤独」の段階に該当します。

ワンポイントアドバイス

エリクソンの発達段階とそれぞれの課題を整理して覚えましょう:

  • 乳児期:「信頼感 対 不信感」→愛着の形成
  • 幼児期:「自律性 対 恥・疑惑」→自律性の獲得
  • 学童期:「勤勉性 対 劣等感」→勤勉性の獲得
  • 青年期:「アイデンティティ 対 同一性拡散」→自我同一性の確立

各時期の課題を理解し、それがどの発達段階に対応するかを把握することが重要です。