第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題79

記憶のプライミングについて正しいのはどれか。

  1. 学習によって習熟する。
  2. 健忘症候群では障害される。
  3. 潜在記憶の1つである。
  4. 短期記憶に分類される。
  5. 陳述記憶の1つである。

解答解説

正解は3.潜在記憶の1つであるです。

プライミングは、潜在記憶(非陳述記憶)の一種で、意識的に思い出さなくても、過去の経験や学習が現在の行動や認知に影響を与える現象です。たとえば、先に見た単語が後の課題で反応しやすくなる効果が該当します。

各選択肢の解説

  1. 学習によって習熟する。
    誤り。プライミングは特定の意識的学習や反復によって強化されるものではなく、無意識的に発生する記憶の現象です。
  2. 健忘症候群では障害される。
    誤り。プライミングは潜在記憶の一部であり、健忘症候群などで顕在記憶(陳述記憶)が障害されても、プライミングは比較的保たれることが多いです。
  3. 潜在記憶の1つである。
    正解。プライミングは非陳述記憶(潜在記憶)の1つで、意識的に思い出さずに過去の経験が現在の行動に影響します。
  4. 短期記憶に分類される。
    誤り。プライミングは潜在記憶に属し、短期記憶とは異なる長期記憶のカテゴリーに属します。
  5. 陳述記憶の1つである。
    誤り。陳述記憶は意識的に言語化可能な記憶(エピソード記憶、意味記憶)を指します。プライミングは非陳述記憶の一種です。

ワンポイントアドバイス

記憶は顕在記憶(陳述記憶)潜在記憶(非陳述記憶)に分けられます:

  • 顕在記憶:エピソード記憶、意味記憶(意識的に思い出せる記憶)。
  • 潜在記憶:プライミング、手続き記憶(無意識的に行動や認知に影響)。

プライミングの特徴を押さえて、他の記憶の分類と区別しましょう。