第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題21

前腕回外の関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)について、正しいのはどれか。

  1. 基本肢位は手掌面が水平面にある肢位とする。
  2. 参考可動域は手関節屈曲角度と同じである。
  3. 最終域で肩関節内旋運動が出現する。
  4. 最終域感は骨性である。
  5. 基本軸は尺骨とする。

解答解説

正解は2.参考可動域は手関節屈曲角度と同じであるです。
前腕回外の参考可動域は90度であり、これは手関節の屈曲の参考可動域(90度)と一致します。この一致が基準として認められています。

各選択肢の解説

  1. 基本肢位は手掌面が水平面にある肢位とする。
    誤り。前腕回外の基本肢位は、肘関節を90度屈曲した状態で、前腕が中間位(手掌が体幹に向かう向き)にある肢位です。手掌面が水平面にある肢位は前腕の中間位ではありません。
  2. 参考可動域は手関節屈曲角度と同じである。
    正解。前腕回外の参考可動域は90度であり、手関節屈曲の参考可動域(90度)と一致します。このため、正しい選択肢です。
  3. 最終域で肩関節内旋運動が出現する。
    誤り。肩関節内旋運動は代償運動として出現することがあるものの、正しい測定では代償運動を抑制し、肘関節を固定して行います。肩関節内旋は最終域の特徴ではありません。
  4. 最終域感は骨性である。
    誤り。前腕回外の最終域感は、通常、筋性または靭帯性です。骨性の終末域感があるのは他の関節運動の場合であり、前腕回外には該当しません。
  5. 基本軸は尺骨とする。
    誤り。前腕回外の測定では、基本軸は上腕骨とします。動作軸は前腕の橈骨茎状突起を基準に計測します。

ワンポイントアドバイス

前腕回外の測定では、肘関節を90度屈曲させた状態で肘を体幹に近づけ、代償運動を抑制することが重要です。基本軸を上腕骨、可動軸を橈骨茎状突起、移動軸を前腕部に設定して測定します。基準可動域である90度を正確に覚えておきましょう。