第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題78

抗凝固薬はどれか。

  1. レボドパ
  2. ビタミンK
  3. アドレナリン
  4. バクロフェン
  5. ワルファリン

解答解説

正解は5.ワルファリンです。

ワルファリンは、ビタミンK依存性凝固因子(II、VII、IX、X因子)の生成を抑制することで、血液の凝固を抑え、血栓形成を防ぐ作用を持つ抗凝固薬です。心房細動や深部静脈血栓症など、血栓症の予防や治療に用いられます。

各選択肢の解説

  1. レボドパ
    誤り。レボドパは、パーキンソン病治療薬で、脳内でドパミンに変換されることにより運動症状を改善します。抗凝固作用はありません。
  2. ビタミンK
    誤り。ビタミンKは、血液凝固因子の活性化に必須の栄養素であり、抗凝固薬ではありません。むしろ、ワルファリン過剰時の解毒薬として使用されます。
  3. アドレナリン
    誤り。アドレナリンは交感神経刺激薬であり、気管支喘息やショックの治療に使用されますが、抗凝固作用はありません。
  4. バクロフェン
    誤り。バクロフェンは中枢性筋弛緩薬で、筋痙縮を軽減するために使用されます。抗凝固作用はありません。
  5. ワルファリン
    正解。ワルファリンは抗凝固薬として血栓形成の予防に使用されます。服用時は定期的な血液検査(INR測定)が必要です。

ワンポイントアドバイス

抗凝固薬と抗血小板薬の違いを理解しましょう:

  • 抗凝固薬(例:ワルファリン、ヘパリン):凝固因子の活性を抑制。深部静脈血栓症や心房細動に使用。
  • 抗血小板薬(例:アスピリン、クロピドグレル):血小板の凝集を抑制。動脈硬化性疾患の予防に使用。

抗凝固薬の適応や副作用(出血リスク)を覚えておくことが重要です。