技法としてホームワーク〈宿題〉を用いるのはどれか。
- 内観療法
- 森田療法
- 現存在分析
- 認知行動療法
- 精神分析療法
解答解説
正解は4.認知行動療法です。
認知行動療法(CBT: Cognitive Behavioral Therapy)は、クライアントが自身の認知の歪みや非適応的な行動パターンに気づき、修正することを目的とする心理療法です。セッション間でクライアントが自分で行動や思考の変化を試みる「ホームワーク(宿題)」が頻繁に用いられます。例えば、認知の歪みに気づくための記録や、行動計画の実行などが挙げられます。
選択肢の解説
- 内観療法
誤りです。内観療法は、自己探求を目的とし、過去の対人関係を振り返る技法です。ホームワークという形式的な活動を設定することはありません。 - 森田療法
誤りです。森田療法は、主に神経症に対する治療法で、「あるがまま」を受け入れる姿勢を重視します。行動を促すことはありますが、宿題という形式では行われません。 - 現存在分析
誤りです。現存在分析は、個人の存在や意味に焦点を当てる療法で、クライアントが現実の自分と向き合うことを助けます。ホームワークを具体的な技法として用いることはありません。 - 認知行動療法
正解です。認知行動療法では、セッション間に課題を設定し、クライアントが自身の問題を認知・行動の両面から実践的に解決することを目指します。ホームワークはCBTの中心的な技法の一つです。 - 精神分析療法
誤りです。精神分析療法は主に自由連想法や夢分析などを通じて無意識に働きかける療法であり、ホームワークを用いることはありません。
ワンポイントアドバイス
心理療法の種類とそれぞれの特徴的な技法を区別することが重要です。認知行動療法のホームワークは、クライアントの問題解決能力を高めるための実践的な手法です。他の療法では、内省や治療者との対話が重視されることが多く、宿題のような形での活動は稀です。