第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題42

呼吸機能検査で求められる値について正しいのはどれか。

  1. %肺活量 = 肺活量 ÷ 全肺気量
  2. 肺活量 = 予備吸気量 + 予備呼気量
  3. 1秒率 = 予測値に対する1秒量の割合
  4. 機能的残気量 = 残気量 + 予備吸気量
  5. 最大吸気量 = 予備吸気量 + 1回換気量

解答解説

正解は5.最大吸気量 = 予備吸気量 + 1回換気量です。

最大吸気量は、安静時の呼吸で吸い込む1回換気量に、さらに吸い込める予備吸気量を加えた値です。呼吸機能検査の各値は、解剖学的な呼吸機能の理解に基づいて求められます。他の選択肢は定義や計算式が誤っています。

選択肢の解説

  1. %肺活量 = 肺活量 ÷ 全肺気量
    誤りです。%肺活量は、「実測された肺活量 ÷ 予測肺活量 × 100」で求められます。全肺気量を基準にすることはありません。
  2. 肺活量 = 予備吸気量 + 予備呼気量
    誤りです。肺活量は、「予備吸気量 + 1回換気量 + 予備呼気量」で構成されます。1回換気量を含めないこの式は誤りです。
  3. 1秒率 = 予測値に対する1秒量の割合
    誤りです。1秒率(FEV1%)は、「1秒量(FEV1)÷ 努力肺活量(FVC)× 100」で計算します。予測値ではなく、実測値を基準にします。
  4. 機能的残気量 = 残気量 + 予備吸気量
    誤りです。機能的残気量(FRC)は、「残気量 + 予備呼気量」で構成されます。予備吸気量は含まれません。
  5. 最大吸気量 = 予備吸気量 + 1回換気量
    正解です。最大吸気量は、安静時の呼吸量(1回換気量)に、さらに吸い込める予備吸気量を加えた値で、定義通りの内容です。

ワンポイントアドバイス

呼吸機能検査の各値や計算式は、正確な定義を理解することが重要です。%肺活量や1秒率などの基本的な指標は、呼吸器疾患の診断や重症度評価で頻繁に使われるため、それぞれの計算式や臨床的意義をしっかり覚えておきましょう。