立位姿勢時の重心について正しいのはどれか。
- 仙骨の後方にある。
- 閉眼すると後方に移動する。
- 小児は相対的に成人より足底に近い。
- 重心線は膝関節中心の後方1〜2cmを通る。
- 重心動揺面積は老年期には加齢に伴い増大する。
解答解説
正解は5.重心動揺面積は老年期には加齢に伴い増大するです。
高齢者では、加齢に伴うバランス能力の低下や筋力の衰えにより、重心動揺面積(COPの動揺範囲)が増大します。これは姿勢制御能力の低下を示す指標となります。
各選択肢の解説
- 仙骨の後方にある。
誤り。立位姿勢時の重心は仙骨の前方(第2仙椎付近)にあります。後方に位置することはありません。 - 閉眼すると後方に移動する。
誤り。閉眼すると視覚情報が失われるため重心動揺が増加しますが、重心が特定の方向(後方など)に移動するわけではありません。 - 小児は相対的に成人より足底に近い。
誤り。小児の重心は頭部が大きいため、成人よりも重心は高く、相対的に足底から遠い位置にあります。 - 重心線は膝関節中心の後方1〜2cmを通る。
誤り。重心線は膝関節中心のやや前方を通るのが正常です。 - 重心動揺面積は老年期には加齢に伴い増大する。
正解。老年期には姿勢制御機能が低下し、筋力や感覚入力の減少により重心動揺面積が増大します。これは転倒リスクの増加と関連します。
ワンポイントアドバイス
姿勢と重心に関する基本を整理すると、以下のポイントが重要です:
- 正常な重心位置:第2仙椎前方。
- 重心線の通過位置:耳垂→肩関節→股関節→膝関節前方→足関節やや前方。
- 加齢による影響:重心動揺増大、バランス能力低下、転倒リスク増加。
これらを覚えておくと、姿勢やバランスに関連する問題に対応しやすくなります。