Danielsらの徒手筋力テストを図に示す。段階5の抵抗を加える位置が正しいのはどれか。2つ選べ。
- 肩甲骨下制と内転
- 肩関節外旋
- 肘関節伸展
- 手関節背屈
- 母指MP関節屈曲
解答解説
正解は4.手関節背屈と5.母指MP関節屈曲です。
徒手筋力テスト(MMT)の段階5では、最大の抵抗を加えて筋力を評価します。抵抗を加える位置は、筋肉が効果的に力を発揮できる部位であり、運動方向を正確に確認する必要があります。4と5の図では、適切な位置に抵抗が加えられています。
選択肢の解説
- 肩甲骨下制と内転
肩甲骨下制と内転を評価する際には、下部僧帽筋が主に働きます。抵抗は肩甲骨下部に加えるのが正しい方法ですが、図では抵抗を加える位置が適切ではなく、筋力評価の精度が低下します。 - 肩関節外旋
肩関節外旋を評価する際は、肩外旋筋(小円筋や棘下筋)が対象となります。抵抗は前腕遠位部に加えるのが正しい方法ですが、図では前腕中央付近に抵抗を加えており、正確な評価とは言えません。 - 肘関節伸展
肘関節伸展では上腕三頭筋の筋力を評価します。抵抗を加える位置は手関節付近が適切ですが、図では肘関節の近くに抵抗を加えており、力のモーメントが不足して正確な評価ができません。 - 手関節背屈
手関節背屈では手関節伸筋群(短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋など)が対象となります。この図では、手背側の中手骨近位部に抵抗を加えており、適切な位置で評価が行われています。正しい抵抗位置です。 - 母指MP関節屈曲
母指MP関節屈曲では母指短屈筋の筋力を評価します。この図では、母指のMP関節を屈曲させる方向に抵抗が加えられており、正確な評価方法です。適切な抵抗位置です。
ワンポイントアドバイス
MMTを正確に行うには、抵抗を加える位置を筋肉の作用点に近づけることが重要です。また、段階5では患者が十分に最大抵抗に耐えられるかを確認します。運動方向と筋の付着部位をしっかり覚えておくと、実技でも正確な評価ができるようになります。