第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題53

肩甲上神経に支配されるのはどれか。

  1. 三角筋
  2. 棘上筋
  3. 小円筋
  4. 大円筋
  5. 肩甲下筋

解答解説

正解は2.棘上筋です。

肩甲上神経は、棘上筋と棘下筋を支配する末梢神経で、主に肩関節の外転や外旋に関与します。肩甲骨上部の肩甲切痕を通過して、これらの筋を支配します。

各選択肢の解説

  1. 三角筋
    誤り。三角筋は、腋窩神経によって支配されています。肩関節の外転を主に担当しますが、肩甲上神経ではありません。
  2. 棘上筋
    正解。棘上筋は、肩甲上神経によって支配される筋で、肩関節の初期外転(約15度)に重要な役割を果たします。
  3. 小円筋
    誤り。小円筋は腋窩神経によって支配されます。肩関節の外旋に関与する筋ですが、肩甲上神経ではありません。
  4. 大円筋
    誤り。大円筋は肩甲下神経と胸背神経によって支配されます。肩関節の内旋や内転に関与しますが、肩甲上神経ではありません。
  5. 肩甲下筋
    誤り。肩甲下筋は肩甲下神経によって支配されます。肩関節の内旋に関与しますが、肩甲上神経ではありません。

ワンポイントアドバイス

肩甲上神経は、棘上筋と棘下筋を支配し、肩関節の外転(棘上筋)および外旋(棘下筋)に関与します。この神経が障害されると、肩関節の初期外転や外旋が困難になるため、臨床でも重要な部位です。また、各神経と筋の対応関係をしっかり覚えておくことが大切です。