第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題71

椅子座位姿勢で膝関節屈曲位から完全伸展したときにみられるのはどれか。

  1. 外側側副靱帯の弛緩
  2. 内側側副靱帯の弛緩
  3. 前十字靱帯の緊張
  4. 後十字靱帯の緊張
  5. 半月板の後方移動

解答解説

正解は3.前十字靱帯の緊張です。

膝関節が屈曲位から伸展位へ移行する際、前十字靱帯(ACL)が緊張します。これは、膝伸展時に脛骨が前方へ移動しようとする力を前十字靱帯が制御するためです。

各選択肢の解説

  1. 外側側副靱帯の弛緩
    誤り。膝関節が伸展すると、外側側副靱帯は緊張します。弛緩するのは屈曲時です。
  2. 内側側副靱帯の弛緩
    誤り。内側側副靱帯も伸展時に緊張します。内側外側の側副靱帯は、膝関節が安定する伸展位で最も緊張する特徴があります。
  3. 前十字靱帯の緊張
    正解。膝関節が伸展すると、前十字靱帯は脛骨の前方滑りを防ぐために緊張します。これは膝関節の安定性に重要です。
  4. 後十字靱帯の緊張
    誤り。後十字靱帯は膝関節の屈曲時に緊張し、伸展時には比較的弛緩します。
  5. 半月板の後方移動
    誤り。膝関節が伸展する際、半月板は前方に移動します。後方移動するのは屈曲時です。

ワンポイントアドバイス

膝関節の靱帯と関節構造の動きは以下を覚えておくと便利です:

  • 伸展時:前十字靱帯が緊張、側副靱帯が緊張、半月板は前方移動。
  • 屈曲時:後十字靱帯が緊張、側副靱帯が弛緩、半月板は後方移動。

これらの関係を動きと連動して理解すると、関節運動の問題に対応しやすくなります。