第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題95

病態とその治療薬の組合せで正しいのはどれか。

  1. 関節リウマチ――メトトレキサート
  2. ジスキネジア――L-dopa
  3. 重症筋無力症――抗コリン薬
  4. 前立腺肥大症――男性ホルモン
  5. 消化管出血――アスピリン

解答解説

正解は1.関節リウマチ――メトトレキサートです。

メトトレキサート(MTX)は、関節リウマチ(RA)の治療における基本薬として広く使用されています。MTXは抗リウマチ薬(DMARDs)の一つであり、関節炎の進行を抑制するために用いられます。他の選択肢は、病態と治療薬の組み合わせが不適切です。

選択肢の解説

  1. 関節リウマチ――メトトレキサート
    正解です。メトトレキサートは関節リウマチの第一選択薬であり、免疫系の異常な活性化を抑える作用があります。低用量で週1回投与されることが一般的です。
  2. ジスキネジア――L-dopa
    誤りです。ジスキネジアは、L-dopaの長期使用に伴う副作用として生じる不随意運動です。そのため、ジスキネジアにはL-dopaの投与を減量するなどの調整が必要です。治療薬としてはアマンタジンが使用されることがあります。
  3. 重症筋無力症――抗コリン薬
    誤りです。重症筋無力症では、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例:ピリドスチグミン)が治療薬として使用されます。抗コリン薬はむしろアセチルコリンの作用を抑制するため、重症筋無力症には不適切です。
  4. 前立腺肥大症――男性ホルモン
    誤りです。前立腺肥大症の治療には、5α還元酵素阻害薬(例:フィナステリド)やα1遮断薬(例:タムスロシン)が使用されます。男性ホルモンは前立腺肥大を悪化させるため、適応外です。
  5. 消化管出血――アスピリン
    誤りです。アスピリンは抗血小板薬であり、消化管出血を引き起こすリスクがあります。消化管出血の治療では、止血処置やプロトンポンプ阻害薬(例:オメプラゾール)が使用されます。

ワンポイントアドバイス

治療薬と疾患の正しい組み合わせを覚える際には、それぞれの薬の作用機序と疾患の病態を結びつけて考えると効果的です。また、副作用に基づく治療薬の選択肢も試験で問われることが多いので、関連知識を整理しておきましょう。