第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題69

肩関節外転方向で上肢を挙上するとき最も関与が少ない筋はどれか。

  1. 棘上筋
  2. 三角筋
  3. 前鋸筋
  4. 僧帽筋
  5. 肩甲挙筋

解答解説

正解は5.肩甲挙筋です。

肩関節外転時の上肢挙上では、肩甲骨と上腕骨の運動が連動して行われます。肩甲挙筋は肩甲骨を挙上させる作用が主であり、肩関節外転運動には関与が少ないです。

各選択肢の解説

  1. 棘上筋
    関与が大きい。棘上筋は肩関節外転の初期(約15度)に重要な役割を果たします。
  2. 三角筋
    関与が大きい。三角筋の中部線維は肩関節外転の主要な筋として働きます。
  3. 前鋸筋
    関与が大きい。前鋸筋は肩甲骨を外転・上方回旋させることで、肩関節外転時の肩甲胸郭リズムに寄与します。
  4. 僧帽筋
    関与が大きい。僧帽筋の上部線維と下部線維は肩甲骨を上方回旋させる作用があり、上肢挙上に重要です。
  5. 肩甲挙筋
    関与が少ない。肩甲挙筋は肩甲骨の挙上や内旋に関与しますが、肩関節外転運動では主要な働きをしません。

ワンポイントアドバイス

肩関節外転では、肩甲胸郭リズムが重要で、上腕骨の動きと肩甲骨の上方回旋が連動します。これには、棘上筋、三角筋、前鋸筋、僧帽筋が主に関与します。一方、肩甲挙筋は肩甲骨を挙上する筋であり、外転運動への直接的な関与は少ないことを理解しておきましょう。