第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題68

高齢者にみられる変化で正しいのはどれか。

  1. 骨吸収は停止する。
  2. 残気量は減少する。
  3. 収縮期血圧は下降する。
  4. 水晶体は蛋白変性する。
  5. 皮膚の痛み閾値は低下する。

解答解説

正解は4.水晶体は蛋白変性するです。

高齢者では水晶体の蛋白質が変性し、弾性が低下することで老眼白内障の発症リスクが高まります。この変化は加齢による眼の自然な老化現象です。

各選択肢の解説

  1. 骨吸収は停止する。
    誤り。高齢者では骨吸収が進行しやすくなるため、骨密度が低下して骨粗鬆症のリスクが増加します。
  2. 残気量は減少する。
    誤り。高齢者では肺の弾性低下や呼吸筋の弱化により、残気量は増加します。これによりガス交換効率が低下します。
  3. 収縮期血圧は下降する。
    誤り。高齢者では血管の弾性が低下するため、収縮期血圧は上昇する傾向があります。
  4. 水晶体は蛋白変性する。
    正解。加齢に伴い、水晶体内の蛋白質が変性して透明性が失われることで、白内障などの症状が出現します。
  5. 皮膚の痛み閾値は低下する。
    誤り。高齢者では皮膚の感覚機能が低下し、痛み閾値は上昇します。これにより、痛みを感じにくくなることがあります。

ワンポイントアドバイス

高齢者の身体的変化は、骨密度の減少、呼吸機能の低下、血管の硬化、感覚機能の鈍化など、全身に及びます。また、水晶体の変化は加齢に伴う視力低下の重要な要因です。これらの特徴を理解し、適切に対応する知識を身につけましょう。