第51回

第51回理学療法士国家試験 午前問題18

右外側肺底区の痰に対する体位排痰法(体位ドレナージ)で最も適切な体位はどれか。

  1. 腹臥位
  2. 45度前方へ傾けた側臥位
  3. 背臥位
  4. 側臥位
  5. 45度後方へ傾けた側臥位

解答解説

正解は4.側臥位です。

右外側肺底区の痰を排出するためには、重力を利用して肺底部に溜まった痰を気管支へ移動させる体位が必要です。図4の側臥位は、右肺が下になるように配置されており、右外側肺底区の痰を排出しやすい体位です。体位排痰法では、適切な姿勢を取ることで痰の移動を促進します。

選択肢の解説

  1. 腹臥位
    腹臥位では背側肺区域の痰を排出しやすくしますが、右外側肺底区には適していません。この選択肢は誤りです。
  2. 45度前方へ傾けた側臥位
    この体位は、肺の前側区域(例えば右肺前区域)の痰を排出するのに適していますが、右外側肺底区には適用されません。この選択肢は誤りです。
  3. 背臥位
    背臥位は肺の後方区域ではなく前側区域に痰が溜まっている場合に使用します。右外側肺底区への排痰には不適切です。この選択肢は誤りです。
  4. 側臥位
    右外側肺底区の痰を排出するには、右肺が下になるようにした側臥位が最も適しています。この体位は、重力を利用して痰を効率的に移動させるため、この選択肢が正解です。
  5. 45度後方へ傾けた側臥位
    この体位は肺後方区域の排痰に使用されることが多いですが、右外側肺底区への排痰には適しません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

体位排痰法では、排痰したい区域を上方に、重力で痰が移動するような姿勢を取ることが基本です。また、排痰を効果的に行うためには、適切な呼吸リハビリテーションや家族への指導も重要です。肺区域ごとの体位を覚え、臨床で応用できるようにしておきましょう。