第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題67

排尿機構で正しいのはどれか。

  1. 排尿筋は平滑筋である。
  2. 排尿の一次中枢は腰髄にある。
  3. 外尿道括約筋は陰部神経活動で弛緩する。
  4. 副交感神経を刺激すると排尿筋は弛緩する。
  5. 排尿を我慢するときは副交感神経優位となる。

解答解説

正解は1.排尿筋は平滑筋であるです。

排尿筋(膀胱平滑筋)は平滑筋で構成されており、自律神経の支配を受けます。副交感神経の刺激により収縮し、尿を膀胱から排出する役割を果たします。

各選択肢の解説

  1. 排尿筋は平滑筋である。
    正解。排尿筋は膀胱壁の平滑筋で構成されており、副交感神経による収縮で排尿を促進します。
  2. 排尿の一次中枢は腰髄にある。
    誤り。排尿の一次中枢は仙髄(S2~S4)にあります。腰髄には排尿に関する中枢はありません。
  3. 外尿道括約筋は陰部神経活動で弛緩する。
    誤り。外尿道括約筋は骨格筋であり、陰部神経の活動により収縮します。弛緩するときは陰部神経の活動が抑制されます。
  4. 副交感神経を刺激すると排尿筋は弛緩する。
    誤り。副交感神経を刺激すると、排尿筋は収縮します。これにより膀胱内圧が上昇し、排尿が促進されます。
  5. 排尿を我慢するときは副交感神経優位となる。
    誤り。排尿を我慢するときは、交感神経と陰部神経が優位になり、排尿筋が弛緩し、外尿道括約筋が収縮します。

ワンポイントアドバイス

排尿機構の基本は交感神経、副交感神経、陰部神経の役割を理解することです。

  • 副交感神経:排尿筋を収縮させ排尿を促進。
  • 交感神経:排尿筋を弛緩させ排尿を抑制。
  • 陰部神経:外尿道括約筋を収縮させ排尿を抑制。
    これらの神経がどのように協調して排尿やその抑制を制御しているかを覚えましょう。