第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題66

呼吸循環調節系について正しいのはどれか。

  1. 頸動脈小体は血中の酸素分圧の低下を感知する。
  2. 頸動脈小体は総頸動脈と鎖骨下動脈の分岐部にある。
  3. 大動脈弓の圧受容器からの求心路は舌咽神経である。
  4. 頸動脈洞の圧受容器からの求心路は迷走神経である。
  5. 血中の酸素分圧の低下は化学受容体を介して脊髄に伝えられる。

解答解説

正解は1.頸動脈小体は血中の酸素分圧の低下を感知するです。

頸動脈小体は、血中の酸素分圧(PaO₂)、二酸化炭素分圧(PaCO₂)、およびpHを感知する化学受容器です。これにより呼吸中枢を刺激し、呼吸調節に関与します。

各選択肢の解説

  1. 頸動脈小体は血中の酸素分圧の低下を感知する。
    正解。頸動脈小体は、血液中の低酸素状態(低酸素血症)を感知し、舌咽神経を通じて呼吸中枢に情報を伝えます。
  2. 頸動脈小体は総頸動脈と鎖骨下動脈の分岐部にある。
    誤り。頸動脈小体は総頸動脈と内頸動脈の分岐部に位置しています。
  3. 大動脈弓の圧受容器からの求心路は舌咽神経である。
    誤り。大動脈弓の圧受容器からの求心路は迷走神経を介します。舌咽神経は頸動脈洞や頸動脈小体の情報を伝達します。
  4. 頸動脈洞の圧受容器からの求心路は迷走神経である。
    誤り。頸動脈洞の圧受容器からの求心路は舌咽神経を介します。迷走神経は主に大動脈弓の情報を伝えます。
  5. 血中の酸素分圧の低下は化学受容体を介して脊髄に伝えられる。
    誤り。血中の酸素分圧の低下は、頸動脈小体や大動脈小体が感知し、その情報は脊髄ではなく延髄の呼吸中枢に伝達されます。

ワンポイントアドバイス

呼吸循環調節における化学受容器と圧受容器の役割と神経経路を整理して覚えましょう。

  • 頸動脈小体:低酸素、二酸化炭素増加、pH低下を感知(舌咽神経経由)。
  • 頸動脈洞:血圧変化を感知(舌咽神経経由)。
  • 大動脈弓:血圧変化や血液ガス変化を感知(迷走神経経由)。
    神経経路と感知内容を紐づけることで、試験問題にも対応しやすくなります。