心不全に特徴的な呼吸はどれか。
- 下顎呼吸
- 陥没呼吸
- 奇異呼吸
- 起座呼吸
- 鼻翼呼吸
解答解説
正解は4.起座呼吸です。
起座呼吸は、心不全の患者に特徴的な呼吸困難の一形態で、仰臥位では呼吸が苦しくなるため座位をとらざるを得ない状態です。心不全による肺うっ血が原因で、横になると静脈還流が増加し、肺水腫が悪化して呼吸困難が増強します。座位や起き上がった状態では肺への血流が減少し、呼吸がしやすくなります。
選択肢の解説
- 下顎呼吸
誤りです。下顎呼吸は、呼吸が停止する直前の状態(終末期の呼吸)で見られる不規則な呼吸様式であり、心不全に特徴的ではありません。 - 陥没呼吸
誤りです。陥没呼吸は、主に乳児や気道閉塞、重症の呼吸不全で見られる呼吸様式で、胸壁や鎖骨下が陥没する状態を指します。心不全に特有のものではありません。 - 奇異呼吸
誤りです。奇異呼吸は胸郭や横隔膜の異常運動によるもので、例えば外傷性気胸や横隔膜麻痺などで見られます。心不全に特有ではありません。 - 起座呼吸
正解です。心不全に特徴的な呼吸様式であり、肺うっ血が原因で起こります。患者が座位を取ることで静脈還流が減少し、肺水腫が軽減して呼吸が楽になります。 - 鼻翼呼吸
誤りです。鼻翼呼吸は、呼吸困難を伴う呼吸器疾患(例:喘息、COPDなど)で見られる鼻翼の拡張を伴う呼吸です。心不全に特有ではありません。
ワンポイントアドバイス
心不全患者の呼吸困難では、起座呼吸や夜間の発作性呼吸困難が特徴的です。これらは肺うっ血による症状であり、静脈還流量の変化が直接関係します。呼吸困難の他の種類との違いを明確に理解しておくと、関連する臨床問題に対応しやすくなります。