第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題65

副交感神経の作用はどれか。

  1. 瞳孔散大
  2. 発汗促進
  3. 心拍数減少
  4. 気管支の拡張
  5. 消化液の分泌抑制

解答解説

正解は3.心拍数減少です。

副交感神経は、安静時に働き、体をリラックスさせる「休息と消化」の状態を促進します。心拍数を減少させることで、全身のエネルギー消費を抑え、回復を促します。

各選択肢の解説

  1. 瞳孔散大
    誤り。瞳孔散大は交感神経の作用です。副交感神経は瞳孔を収縮(縮瞳)させる働きをします。
  2. 発汗促進
    誤り。発汗は交感神経が制御する作用で、副交感神経は関与しません。
  3. 心拍数減少
    正解。副交感神経は迷走神経を通じて心臓のペースメーカーに働きかけ、心拍数を減少させます。
  4. 気管支の拡張
    誤り。気管支の拡張は交感神経の作用です。副交感神経は気管支を収縮させます。
  5. 消化液の分泌抑制
    誤り。副交感神経は消化器の活動を促進し、消化液の分泌を増加させます。

ワンポイントアドバイス

自律神経系の副交感神経と交感神経の作用を区別する際は、以下の原則を覚えると便利です。

  • 副交感神経:「休息と消化」→心拍数減少、消化液分泌促進、瞳孔収縮など。
  • 交感神経:「戦う・逃げる」→心拍数増加、発汗促進、気管支拡張、瞳孔散大など。

リラックスと興奮状態を基に考えると、作用の違いが理解しやすくなります。