第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題62

単一筋線維が発生する張力の大きい順に並んでいるのはどれか。

  1. タイプⅡA > タイプⅡB > タイプⅠ
  2. タイプⅡB > タイプⅡA > タイプⅠ
  3. タイプⅠ > タイプⅡA > タイプⅡB
  4. タイプⅡA > タイプⅠ > タイプⅡB
  5. タイプⅡB > タイプⅠ > タイプⅡA

解答解説

正解は2.タイプⅡB > タイプⅡA > タイプⅠです。

筋線維タイプには、主にタイプⅠ(遅筋線維)タイプⅡA(速筋線維、中間型)タイプⅡB(速筋線維)があり、発生張力の順はタイプⅡBが最も大きく、次いでタイプⅡA、タイプⅠの順となります。

筋線維タイプの特徴

  • タイプⅠ(遅筋線維)
    • 発生張力:小さい
    • 収縮速度:遅い
    • 持久力:高い(酸化的代謝が主)
    • 主な役割:持久的運動(長距離走など)
  • タイプⅡA(速筋線維、中間型)
    • 発生張力:中程度
    • 収縮速度:速い
    • 持久力:中程度(酸化的・解糖的代謝)
    • 主な役割:瞬発力と持久力のバランスが必要な運動
  • タイプⅡB(速筋線維)
    • 発生張力:大きい
    • 収縮速度:非常に速い
    • 持久力:低い(解糖的代謝が主)
    • 主な役割:瞬発力を要する運動(短距離走、重量挙げなど)

各選択肢の解説

  1. タイプⅡA > タイプⅡB > タイプⅠ
    誤り。タイプⅡAよりもタイプⅡBの方が発生張力が大きいです。
  2. タイプⅡB > タイプⅡA > タイプⅠ
    正解。筋線維の発生張力はこの順序で、大きい筋線維ほど強い張力を発揮します。
  3. タイプⅠ > タイプⅡA > タイプⅡB
    誤り。タイプⅠは持久力に優れますが、発生張力は最も小さいです。
  4. タイプⅡA > タイプⅠ > タイプⅡB
    誤り。タイプⅡBが最も大きい発生張力を持つため、この順序は間違いです。
  5. タイプⅡB > タイプⅠ > タイプⅡA
    誤り。タイプⅠの発生張力はタイプⅡAより小さいです。

ワンポイントアドバイス

筋線維タイプは、発生張力、収縮速度、持久力の観点から整理して覚えましょう。

  • 張力:タイプⅡB > タイプⅡA > タイプⅠ
  • 持久力:タイプⅠ > タイプⅡA > タイプⅡB
    これらの特徴を理解すると、筋線維の役割や適応運動がイメージしやすくなります。