糖尿病患者における運動療法が禁忌となる合併症はどれか。
- 高血圧症
- 増殖性網膜症
- 閉塞性動脈硬化症
- ポリニューロパチー
- ペースメーカー植込み後
解答解説
正解は2.増殖性網膜症です。
増殖性網膜症は、糖尿病の合併症として網膜に新生血管が形成され、これが破綻することで網膜出血や硝子体出血、視力低下を引き起こします。運動療法による血圧の急激な上昇や体位変化は、新生血管の破綻リスクを高め、出血や失明につながる危険性があるため、禁忌とされます。
各選択肢の解説
- 高血圧症
誤り。高血圧症は適切な運動療法により血圧管理が改善する可能性があります。ただし、激しい運動や不適切な負荷は避けるべきです。 - 増殖性網膜症
正解。増殖性網膜症は運動療法が禁忌です。運動による眼圧や血圧の変動が、新生血管の破綻や眼内出血を引き起こす可能性があるため、適切な運動は眼科医と相談のうえ慎重に検討されます。 - 閉塞性動脈硬化症
誤り。閉塞性動脈硬化症においては、適切な強度での運動療法が血流改善や症状緩和に寄与します。ただし、激しい負荷や痛みを伴う運動は避ける必要があります。 - ポリニューロパチー
誤り。糖尿病性ポリニューロパチーがある場合も、運動療法は適応です。ただし、足の感覚低下がある場合は、転倒や足潰瘍のリスクを考慮して慎重に行う必要があります。 - ペースメーカー植込み後
誤り。ペースメーカー植込み後でも、適切な負荷での運動は可能です。ただし、心拍数や運動強度の上限について、医師の指導を受けることが重要です。
ワンポイントアドバイス
糖尿病患者の運動療法では、合併症の状態を十分考慮することが必要です。特に、増殖性網膜症や高度な腎障害は運動の禁忌条件に該当するため、患者の状態を適切に評価し、医師と連携して運動プログラムを立案することが重要です。