第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題47

長期臥床患者で測定値が1週以上前の状態を反映しているのはどれか。

  1. AST
  2. 単球
  3. 血糖
  4. 血清アルブミン
  5. 尿中クレアチニン

解答解説

正解は4.血清アルブミンです。

血清アルブミンは、主に肝臓で合成されるタンパク質であり、血中濃度は栄養状態や慢性疾患の影響を受けます。その半減期は約20日間で、短期的な状態変化を反映しにくく、1週間以上前の栄養状態や病態を反映する特徴があります。

各選択肢の解説

  1. AST
    誤り。AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は、肝細胞や筋肉の障害を反映する酵素で、短期間で変動します。1週間以上前の状態を反映するわけではありません。
  2. 単球
    誤り。単球は白血球の一種で、感染や炎症に応じて短期間で増減します。長期の状態を反映する指標ではありません。
  3. 血糖
    誤り。血糖値は食事やストレス、運動に応じて数時間で変動します。長期の状態を示す指標ではありません。
  4. 血清アルブミン
    正解。血清アルブミンの半減期は約20日と長く、1週間以上前の栄養状態や病態を反映します。そのため、慢性疾患や長期的な栄養評価に使用されます。
  5. 尿中クレアチニン
    誤り。尿中クレアチニンは腎機能や筋肉量に関連し、日々の変化に応じて測定値が変動するため、長期の状態を示す指標にはなりません。

ワンポイントアドバイス

血清アルブミンは、慢性疾患や栄養状態の評価に重要な指標です。短期間での変化を追う場合には、半減期が短いプレアルブミンやトランスサイレチンがより適切です。患者の状態に応じて適切な指標を選択しましょう。