リンパ浮腫について正しいのはどれか。
- 腹水を伴う。
- 利尿薬で治療する。
- 蜂窩織炎になりやすい。
- 肺塞栓症の原因の1つである。
- 皮膚が線維化を起こすことは稀である。
解答解説
正解は3. 蜂窩織炎になりやすいです。
リンパ浮腫は、リンパ液のうっ滞により慢性的な浮腫を生じる状態です。リンパの流れが滞ることで免疫機能が低下し、感染症(特に蜂窩織炎)が発生しやすくなります。蜂窩織炎を繰り返すと、症状が悪化し、皮膚が線維化して浮腫がより難治性となります。
各選択肢の解説
- 腹水を伴う
腹水は肝硬変や心不全、腎疾患などが原因で生じますが、リンパ浮腫で腹水を伴うことはありません。この選択肢は誤りです。 - 利尿薬で治療する
リンパ浮腫に対して利尿薬は効果が乏しいため、使用されません。治療は複合的治療(圧迫療法、リンパドレナージなど)が基本です。この選択肢は誤りです。 - 蜂窩織炎になりやすい(正解)
リンパ液の滞留による免疫機能低下のため、皮膚の感染症である蜂窩織炎を発症しやすいです。正しい選択肢です。 - 肺塞栓症の原因の1つである
肺塞栓症は深部静脈血栓症(DVT)が原因で起こることが多いですが、リンパ浮腫は関連しません。この選択肢は誤りです。 - 皮膚が線維化を起こすことは稀である
リンパ浮腫では、進行すると皮膚や皮下組織の線維化(硬化)がよく見られます。稀ではなく、特徴的な症状の1つです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
リンパ浮腫の特徴を整理しておきましょう:
- 主な症状: 浮腫、皮膚の硬化、感染症(蜂窩織炎)。
- 原因: 手術や放射線治療後のリンパ管損傷、先天性リンパ管異常。
- 治療法: 圧迫療法(弾性ストッキングなど)、リンパドレナージ、運動療法。
- 注意点: 感染予防の徹底(皮膚ケアや清潔保持)。
特に蜂窩織炎や皮膚の線維化は試験で問われやすいポイントです。リンパ浮腫の進行度や治療法も併せて覚えておきましょう。