血友病について正しいのはどれか。
- 脾腫がみられる。
- 血小板数が減少する。
- 点状紫斑がみられる。
- 膝に関節症をきたす。
- 自己免疫性疾患である。
解答解説
正解は4. 膝に関節症をきたすです。
血友病は血液凝固因子(主に第VIII因子や第IX因子)の欠損により、血液凝固が正常に行われない先天性疾患です。出血が関節内に繰り返し起こることで、関節内での炎症や損傷が進行し、特に膝関節で血友病性関節症を引き起こします。
各選択肢の解説
- 脾腫がみられる
血友病では脾腫はみられません。脾腫はむしろ血液疾患の中でも溶血性貧血や慢性骨髄性白血病などに関連します。この選択肢は誤りです。 - 血小板数が減少する
血友病では血小板数は正常であり、凝固因子の欠乏が主な病態です。血小板数が減少するのは特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などです。この選択肢は誤りです。 - 点状紫斑がみられる
血友病では、点状紫斑ではなく深部出血(関節内や筋肉内)が特徴です。点状紫斑は血小板異常でみられることが多いです。この選択肢は誤りです。 - 膝に関節症をきたす(正解)
血友病では関節内出血が繰り返されることで、膝関節をはじめとする関節に血友病性関節症が生じることがあります。正しい選択肢です。 - 自己免疫性疾患である
血友病は先天性の遺伝性疾患であり、自己免疫性疾患ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
血友病の特徴を押さえましょう:
- 原因: 血液凝固因子の欠乏(第VIII因子: 血友病A、第IX因子: 血友病B)。
- 症状: 筋肉内や関節内の深部出血(関節内出血が繰り返されると血友病性関節症になる)。
- 診断: 血液凝固検査(APTT延長、PTは正常)。
- 治療: 欠乏因子の補充療法。
血友病では、出血の場所やパターンが他の疾患と異なることに注意し、疾患ごとの特徴を理解しておきましょう。