神経性大食症について正しいのはどれか。
- 女性より男性に多い。
- 高カリウム血症がみられる。
- 神経性無食欲症からの移行はない。
- カロリーの低いものを過食することが多い。
- 代償行動で最も多いのは自己誘発性嘔吐である。
解答解説
正解は5.代償行動で最も多いのは自己誘発性嘔吐であるです。
神経性大食症(bulimia nervosa)は、食べすぎたことに対する罪悪感や体重増加への恐怖から、過食後に代償行動をとる疾患です。その中で自己誘発性嘔吐が最も一般的な代償行動です。他にも下剤や利尿薬の使用、極端な運動がみられることがあります。
各選択肢の解説
- 女性より男性に多い。
神経性大食症は女性に多く、発症年齢は10代後半から20代に集中します。男性の発症は稀です。この選択肢は誤りです。 - 高カリウム血症がみられる。
自己誘発性嘔吐による電解質異常では、低カリウム血症が一般的です。これは嘔吐によって体内のカリウムが失われるためです。この選択肢は誤りです。 - 神経性無食欲症からの移行はない。
神経性無食欲症から神経性大食症に移行するケースがあり、両者は関連が深い疾患です。この選択肢は誤りです。 - カロリーの低いものを過食することが多い。
神経性大食症では、高カロリー食品(例:スイーツ、ジャンクフード)を短時間で大量に摂取するのが特徴的です。この選択肢は誤りです。 - 代償行動で最も多いのは自己誘発性嘔吐である。(正解)
自己誘発性嘔吐は、神経性大食症における代表的な代償行動であり、これに続いて下剤や利尿薬の乱用、過度の運動がみられることがあります。この選択肢が正解です。
ワンポイントアドバイス
神経性大食症の特徴:
- 主症状:繰り返す過食と、それに続く代償行動(自己誘発性嘔吐が最多)。
- 電解質異常:低カリウム血症が典型的。
- 心理的要因:体重や体型への過度なこだわりが背景にある。
- 合併症:胃破裂、食道炎、歯のエナメル質の損傷など。
適切な診断と心理社会的支援が重要であり、疾患の特徴を正確に理解することが試験対策に役立ちます。