高齢者にみられる病態のうち、低栄養の関与が低いのはどれか。
- 貧血
- 褥瘡
- 大腿骨骨折
- サルコペニア
- 虚血性心疾患
解答解説
正解は5. 虚血性心疾患です。
虚血性心疾患は、冠動脈の動脈硬化による血流障害が主な原因であり、直接的に低栄養との関与は低いです。一方、貧血、褥瘡、大腿骨骨折、サルコペニアは、いずれも低栄養が病態に大きく影響する疾患・状態です。
各選択肢の解説
- 貧血
鉄やビタミンB12、葉酸などの栄養素が不足することで栄養性貧血が起こることがあります。低栄養が貧血の原因となるため、この選択肢は誤りです。 - 褥瘡
褥瘡は皮膚や軟部組織への圧力が持続的にかかることで生じますが、低栄養が治癒を遅らせる主要因の一つです。タンパク質不足や栄養素の欠乏が関与します。この選択肢は誤りです。 - 大腿骨骨折
低栄養により骨密度が低下し、大腿骨骨折のリスクが高まります。カルシウムやビタミンDの不足が骨折リスクを増大させます。この選択肢は誤りです。 - サルコペニア
サルコペニアは骨格筋量と筋力の減少を特徴とする状態で、低栄養やタンパク質不足が主要因の一つです。この選択肢は誤りです。 - 虚血性心疾患(正解)
虚血性心疾患は冠動脈の動脈硬化が主因であり、高脂血症や高血圧、喫煙などの危険因子が関与します。低栄養の直接的な関与は低いです。正しい選択肢です。
ワンポイントアドバイス
低栄養が関与する疾患や状態を押さえておきましょう:
- 高い関与: 貧血、褥瘡、骨折、サルコペニア、感染症、創傷治癒遅延。
- 低い関与: 動脈硬化性疾患(虚血性心疾患など)。
特に高齢者の低栄養が骨や筋肉、皮膚の健康に与える影響は試験でも頻出です。原因や影響を整理して理解しましょう。