第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題91

10か月の正常児でみられるのはどれか。

  1. Moro反射
  2. 手の把握反応
  3. 緊張性迷路反射
  4. パラシュート反応
  5. 非対称性緊張性頸反射

解答解説

正解は4. パラシュート反応です。

パラシュート反応は、生後6~7か月ごろに出現し、一生涯持続する保護反射です。子どもをうつ伏せで持ち上げ、急に下方へ落下させるような姿勢を取らせると、手を前方に突き出して頭部を守る動作が見られます。この反応は、姿勢保持やバランスの発達において重要な役割を果たします。

各選択肢の解説

  1. Moro反射
    新生児期にみられる原始反射で、通常は生後4~6か月で消失します。10か月の正常児ではみられません。この選択肢は誤りです。
  2. 手の把握反応
    新生児期にみられる原始反射で、通常は生後4~6か月で消失します。10か月の正常児ではみられません。この選択肢は誤りです。
  3. 緊張性迷路反射
    新生児期にみられる原始反射で、生後4~6か月までに消失します。10か月の正常児ではみられません。この選択肢は誤りです。
  4. パラシュート反応(正解)
    生後6~7か月で出現し、一生涯持続します。10か月児でもみられる正常な反応です。正しい選択肢です。
  5. 非対称性緊張性頸反射(ATNR)
    生後2か月ごろに最も強く、通常は生後4~6か月で消失します。10か月の正常児ではみられません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

原始反射と保護反応の消失時期・持続時期を押さえましょう:

  • 原始反射(消失する反射): Moro反射、手の把握反応、非対称性緊張性頸反射(ATNR)、緊張性迷路反射 → 4~6か月で消失。
  • 保護反応(持続する反応): パラシュート反応(6~7か月で出現、一生涯持続)。

発達の正常範囲を理解し、年齢ごとの反射の特徴を把握することが重要です。