関節を他動的に動かしたときの正常な最終域感と関節運動の組合せで正しいのはどれか。
- 骨性
- 靱帯の伸張
- 軟部組織の接近
- 筋の伸張感
- 関節包の伸張
解答解説
正解は3.軟部組織の接近:膝関節屈曲です。
他動的関節運動の最終域感(end-feel)は、関節運動の終末で感じられる抵抗感を指し、正常ではその種類が関節の構造や運動に応じて異なります。膝関節屈曲では、下腿と大腿の軟部組織が接触することで運動が制限される「軟部組織の接近」が最終域感として感じられます。
各選択肢の解説
- 骨性:手指中手指節<MP>関節伸展
骨性の最終域感は骨が直接接触して運動が止まる場合に感じられるものです。手指の中手指節関節伸展では骨性ではなく、関節包や靱帯による伸張が最終域感を生じます。この選択肢は誤りです。 - 靱帯の伸張:下肢伸展挙上<SLR>
下肢伸展挙上(SLR)は主にハムストリングスの筋緊張が制限要素であり、靱帯の伸張が主な最終域感とはなりません。この選択肢は誤りです。 - 軟部組織の接近:膝関節屈曲(正解)
膝関節屈曲では、下腿と大腿の軟部組織が接近して運動が制限されます。 これは典型的な「軟部組織の接近」による最終域感であり、この選択肢が正解です。 - 筋の伸張感:肘関節伸展
肘関節伸展では通常、骨性(尺骨と上腕骨)の最終域感が生じます。筋の伸張感が最終域感となることはありません。この選択肢は誤りです。 - 関節包の伸張:前腕回外
前腕回外では関節包の伸張も一部関与しますが、主な最終域感は靱帯の伸張によるものです。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
正常な最終域感としては、「骨性」「軟部組織の接近」「関節包の伸張」「靱帯の伸張」「筋の伸張感」があります。それぞれの関節運動における最終域感の違いを覚え、異常な場合(例:空虚な最終域感)との違いも理解しておくことが重要です。