細胞膜電位について誤っているのはどれか。
- 静止膜電位は負の値である。
- 活動電位は全か無の法則に従う。
- 活動電位の発火直後には不応期が存在する。
- 脱分極で極性が正の部分をオーバーシュートという。
- カリウムイオンは脱分極のときに細胞外から細胞内に移動する。
解答解説
正解は5.カリウムイオンは脱分極のときに細胞外から細胞内に移動するです。
カリウムイオン(K⁺)は、主に再分極時に細胞内から細胞外へ移動します。脱分極の主な要因は、ナトリウムイオン(Na⁺)が細胞外から細胞内へ流入することです。この選択肢は誤りです。
各選択肢の解説
- 静止膜電位は負の値である。
静止膜電位は、細胞内が細胞外に比べて負に帯電している状態を示し、通常−60〜−90mV程度です。この選択肢は正しいです。 - 活動電位は全か無の法則に従う。
活動電位は、閾値を超える刺激が与えられると一定の大きさで発生しますが、閾値以下の刺激では発生しません。これは全か無の法則に従います。この選択肢は正しいです。 - 活動電位の発火直後には不応期が存在する。
活動電位発火直後は、絶対不応期と相対不応期があり、新たな刺激に応答できないか、応答しづらくなります。この選択肢は正しいです。 - 脱分極で極性が正の部分をオーバーシュートという。
脱分極が進み、膜電位が正になると、これをオーバーシュートと呼びます。この選択肢は正しいです。 - カリウムイオンは脱分極のときに細胞外から細胞内に移動する。(正解)
脱分極は主にナトリウムイオンが細胞外から細胞内に流入することで起こり、カリウムイオンの流入は関与しません。 再分極時にカリウムイオンが細胞内から細胞外へ移動します。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
細胞膜電位の基本的な流れを理解する際には、以下のプロセスを覚えておくことが重要です:
- 静止膜電位:K⁺の透過性が高く、内側が負
- 脱分極:Na⁺の流入
- 再分極:K⁺の流出
- 過分極:K⁺の過剰流出
電位変化におけるイオンの動きを正確に把握しておきましょう。