第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題75

疾患と病因・病理学的変化の組合せで正しいのはどれか。

  1. Creutzfeldt-Jakob病 感染性疾患
  2. Parkinson病      脱髄疾患
  3. 肝性脳症 神経変性疾患
  4. 正常圧水頭症     血行障害
  5. 多発性硬化症     腫瘍性疾患

解答解説

正解は1. Creutzfeldt-Jakob病 感染性疾患です。

Creutzfeldt-Jakob病(CJD)はプリオン蛋白が原因の感染性疾患であり、中枢神経系に異常なプリオン蛋白が蓄積し、神経変性を引き起こします。感染性疾患として分類され、進行性の認知機能障害や運動障害を特徴とします。

各選択肢の解説

  1. Creutzfeldt-Jakob病 感染性疾患(正解)
    Creutzfeldt-Jakob病はプリオン蛋白が原因で起こる中枢神経系の感染性疾患です。正しい組み合わせです。
  2. Parkinson病 脱髄疾患
    Parkinson病は、黒質のドーパミン産生神経細胞が変性する神経変性疾患です。脱髄疾患ではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 肝性脳症 神経変性疾患
    肝性脳症は、肝臓機能低下により血中アンモニアが増加し、中枢神経系に影響を与える代謝性疾患です。神経変性疾患ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. 正常圧水頭症 血行障害
    正常圧水頭症は脳脊髄液の循環障害による疾患で、血行障害が原因ではありません。この選択肢は誤りです。
  5. 多発性硬化症 腫瘍性疾患
    多発性硬化症は中枢神経系の自己免疫疾患であり、腫瘍性疾患ではありません。神経線維の脱髄が特徴です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

疾患の分類や病因を整理する際は以下に注意しましょう:

  • 感染性疾患: Creutzfeldt-Jakob病(プリオン病)。
  • 神経変性疾患: Parkinson病、アルツハイマー病。
  • 脱髄疾患: 多発性硬化症、視神経脊髄炎。
  • 代謝性疾患: 肝性脳症、糖尿病性神経障害。

分類と病態の関連性を正確に理解することで、疾患に関する問題に対応しやすくなります。