第52回理学療法士国家試験　午前問題24

嫌気的代謝の過程で生成される物質はどれか。

1. クエン酸
2. コハク酸
3. フマル酸
4. ピルビン酸
5. α ケトグルタル酸

解答解説

正解は4．ピルビン酸です。

嫌気的代謝（解糖系）では、グルコースが代謝されてATPを産生します。この過程で、ピルビン酸が生成されます。酸素が不足している状態では、ピルビン酸はさらに代謝されて乳酸となり、エネルギーを供給します。この一連の過程は筋肉が酸素不足の状態で働く際に重要です。

各選択肢の解説

1. クエン酸
   クエン酸は、酸素を必要とするクエン酸回路（TCA回路）の初期に生成される物質です。嫌気的代謝ではなく、有酸素条件下での代謝に関連します。この選択肢は誤りです。
2. コハク酸
   コハク酸もクエン酸回路の中間代謝物であり、嫌気的代謝では生成されません。この選択肢は誤りです。
3. フマル酸
   フマル酸もクエン酸回路で生成される中間代謝物であり、嫌気的代謝では関与しません。この選択肢は誤りです。
4. ピルビン酸(正解）
   嫌気的代謝（解糖系）の最終産物はピルビン酸です。酸素が不足している場合、ピルビン酸は乳酸に変換されます。この選択肢が正解です。
5. α ケトグルタル酸
   α ケトグルタル酸もクエン酸回路の中間産物であり、嫌気的代謝では生成されません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

嫌気的代謝（解糖系）では、グルコースからピルビン酸が生成され、酸素不足時には乳酸に変換されます。一方で、クエン酸回路（TCA回路）や電子伝達系は酸素を必要とするため、嫌気的条件下では関与しません。これらの代謝経路をしっかり区別して覚えましょう。