第51回

第51回理学療法士国家試験 午後問題45

心筋梗塞発症時にみられる左腕の痛みはどれか。

  1. 深部痛
  2. 表在痛
  3. 関連痛
  4. 内臓痛
  5. 神経障害性痛

解答解説

正解は3.関連痛です。

心筋梗塞では、心臓からの痛みの信号が脊髄を通じて左腕や肩、顎などに感じられることがあります。これは、心臓とこれらの部位が同じ脊髄レベル(C3~T4)に信号を送るためで、脳がその痛みの位置を誤認している状態です。この現象を関連痛と呼びます。

各選択肢の解説

  1. 深部痛
    誤り。深部痛は骨や筋肉などの深部組織に由来する痛みで、心筋梗塞に特有のものではありません。
  2. 表在痛
    誤り。表在痛は皮膚や粘膜に由来する痛みであり、心筋梗塞の痛みの性質とは異なります。
  3. 関連痛
    正解。心筋梗塞では、内臓からの痛みが皮膚や筋肉のような他の部位に感じられる関連痛が生じます。左腕や肩、顎への放散痛が典型的です。
  4. 内臓痛
    誤り。心筋梗塞の痛みそのものは内臓痛に該当しますが、左腕に感じる痛みは関連痛として説明されます。
  5. 神経障害性痛
    誤り。神経障害性痛は神経の損傷や障害による痛みであり、心筋梗塞による痛みの原因ではありません。

ワンポイントアドバイス

心筋梗塞では、胸痛に加えて左肩や左腕、顎などへの関連痛が重要な診断ポイントとなります。関連痛は内臓痛が特定の部位に放散する現象で、痛みの性質を正しく理解することで、早期診断と治療につなげることが可能です。