第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題74

成人の安静開脚立位で正しいのはどれか。

  1. 頭部は静止している。
  2. 腓腹筋は持続的に活動している。
  3. 腹直筋は持続的に活動している。
  4. 大腿直筋は持続的に活動している。
  5. 重心動揺は左右より前後方向が小さい。

解答解説

正解は2. 腓腹筋は持続的に活動しているです。

安静開脚立位では、重心が足関節よりやや前方に位置するため、腓腹筋が持続的に収縮して体の前方への倒れを防いでいます。この筋活動は静止立位の安定性を維持するために重要です。

各選択肢の解説

  1. 頭部は静止している
    安静開脚立位でも、重心動揺に応じて頭部も微細に動いており、完全に静止しているわけではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 腓腹筋は持続的に活動している(正解)
    静止立位では足関節の軽度の前後揺れに対して腓腹筋が持続的に活動し、重心の前方移動を制御します。正しい選択肢です。
  3. 腹直筋は持続的に活動している
    腹直筋は動的な体幹運動や呼吸補助の際に活動しますが、安静立位では持続的な活動はみられません。この選択肢は誤りです。
  4. 大腿直筋は持続的に活動している
    大腿直筋は膝関節の屈曲を防ぐ筋ですが、安静立位では膝関節が伸展位で安定しており、大腿直筋の持続的な活動は必要ありません。この選択肢は誤りです。
  5. 重心動揺は左右より前後方向が小さい
    重心動揺は前後方向の方が大きく、左右方向の動揺は比較的小さいのが特徴です。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

安静立位時の筋活動については、以下のポイントを覚えておきましょう:

  • 腓腹筋: 重心が前方に移動するのを防ぐため、持続的に活動する。
  • 大殿筋・大腿直筋: 安静立位ではほとんど活動しない。
  • 重心動揺: 前後方向の動揺が大きく、左右方向は小さい。

静止立位の安定性を維持する筋の役割を理解することで、試験や臨床に役立てることができます。