小児の四肢切断の特徴として正しいのはどれか。
- 後天性四肢切断は男児に比べ女児に多い。
- 義手の装着開始時期は4歳ころが適切である。
- 下切断では成長に伴い外反膝変形を生じやすい。
- 後天性の切断における幻肢の頻度は成人より低い。
- 骨肉腫が原因で切断になる頻度は増加傾向にある。
解答解説
正解は4.後天性の切断における幻肢の頻度は成人より低いです。
小児では中枢神経系が可塑性を有しているため、後天性切断における幻肢の頻度は成人よりも低くなることが知られています。また、小児では神経系が発達段階にあるため、幻肢痛も成人より少ない傾向があります。
各選択肢の解説
- 後天性四肢切断は男児に比べ女児に多い。
誤り。後天性四肢切断は、事故や外傷が原因となることが多く、一般的に男児に多い傾向があります。 - 義手の装着開始時期は4歳ころが適切である。
誤り。義手の装着は、できるだけ早期に開始することが推奨されており、生後6か月から1歳くらいに初めての義手を装着するのが一般的です。 - 下切断では成長に伴い外反膝変形を生じやすい。
誤り。小児の下切断では、むしろ膝の屈曲拘縮や外旋変形が問題となりやすいです。外反膝変形は通常、小児切断で一般的な問題ではありません。 - 後天性の切断における幻肢の頻度は成人より低い。
正解。小児は成人と比べて中枢神経系の適応力が高いため、幻肢や幻肢痛の発生頻度が低いとされています。 - 骨肉腫が原因で切断になる頻度は増加傾向にある。
誤り。骨肉腫に対する化学療法や患肢温存術の進歩により、切断が必要になる頻度はむしろ減少しています。
ワンポイントアドバイス
小児の四肢切断では、成長に伴う骨の過成長や義肢適合の問題が特徴的です。また、早期から義肢に慣れることで、身体機能の回復や心理的適応が促進されます。幻肢や幻肢痛が成人より少ないことは重要な特徴として理解しておきましょう。