脳卒中右片麻痺の麻痺側運動機能についてBrunnstrom法ステージの検査を行ったところ、図に示す段階までの運動が可能であった。評価の組合せで正しいのはどれか。
- 上肢Ⅳ ― 手指Ⅳ ― 下肢Ⅳ
- 上肢Ⅳ ― 手指Ⅴ ― 下肢Ⅳ
- 上肢Ⅳ ― 手指Ⅳ ― 下肢Ⅴ
- 上肢Ⅴ ― 手指Ⅴ ― 下肢Ⅳ
- 上肢Ⅴ ― 手指Ⅴ ― 下肢Ⅴ
解答解説
正解は5.上肢Ⅴ ― 手指Ⅴ ― 下肢Ⅴです。
Brunnstrom法のステージ評価は、脳卒中後の回復過程を段階的に評価する方法です。図では、上肢、手指、下肢の運動がそれぞれステージⅤに該当します。具体的には、上肢は独立した関節運動が可能、手指は個別に動かすことができ、下肢では複雑な動作が可能な状態が示されています。これらの条件を満たす選択肢5が正解です。
選択肢の解説
- 上肢Ⅳ ― 手指Ⅳ ― 下肢Ⅳ
上肢、手指、下肢がすべてステージⅣにある場合、複数関節の分離運動が制限されているはずです。しかし、図では独立した動作が可能であるため、ステージⅣより進んでいます。この選択肢は誤りです。 - 上肢Ⅳ ― 手指Ⅴ ― 下肢Ⅳ
手指がステージⅤの場合、個別の運動が可能ですが、上肢と下肢の運動がステージⅣであれば動作の分離性が不足しています。図の内容とは一致しないため、この選択肢は誤りです。 - 上肢Ⅳ ― 手指Ⅳ ― 下肢Ⅴ
下肢がステージⅤであれば、独立した複雑な動作が可能ですが、上肢と手指がステージⅣの場合、運動分離性が不足しているため、図と一致しません。この選択肢は誤りです。 - 上肢Ⅴ ― 手指Ⅴ ― 下肢Ⅳ
上肢と手指がステージⅤであれば運動分離性が確保されていますが、下肢がステージⅣでは十分な運動が示されていません。図では下肢もステージⅤに該当するため、この選択肢は誤りです。 - 上肢Ⅴ ― 手指Ⅴ ― 下肢Ⅴ
上肢、手指、下肢がすべてステージⅤに該当する場合、それぞれの運動が独立しており、複雑な動作も可能です。図の内容と一致しており、正しい選択肢です。
ワンポイントアドバイス
Brunnstrom法のステージ評価では、ステージⅠ(随意運動なし)からステージⅥ(正常に近い運動)までを段階的に評価します。特に、ステージⅤでは分離運動が可能となることが特徴です。各ステージの特徴をしっかり覚え、上肢、手指、下肢ごとの回復状況を適切に判別できるようにしておきましょう。