運動時の変化について正しいのはどれか。
- 脳の血流量が増加する。
- 皮膚血流量が減少する。
- 内臓血管の拡張が起こる。
- 骨格筋の血管収縮が起こる。
- 心臓への静脈還流量が増加する。
解答解説
正解は5.心臓への静脈還流量が増加するです。
運動時には、骨格筋のポンプ作用や心拍出量の増加により、心臓への静脈還流量が増加します。これにより、心拍数や収縮力も増加して全身の血液循環が促進されます。他の選択肢は運動時の生理的変化として誤りです。
選択肢の解説
- 脳の血流量が増加する。
誤りです。運動時の脳全体の血流量は一定に保たれます。ただし、運動を制御する特定の脳領域(運動野など)の血流が増加することはあります。 - 皮膚血流量が減少する。
誤りです。運動の初期には皮膚血流量が一時的に減少することがありますが、運動が続くと体温調節のために血流量が増加します。特に暑熱環境下では顕著です。 - 内臓血管の拡張が起こる。
誤りです。運動時には交感神経の作用により内臓血管が収縮し、血流が抑制されます。その結果、血液は骨格筋や皮膚へ優先的に供給されます。 - 骨格筋の血管収縮が起こる。
誤りです。運動時には骨格筋の代謝需要が高まり、局所的な代謝産物(乳酸、二酸化炭素など)の影響で骨格筋の血管は拡張します。これにより血流量が増加し、酸素供給が促進されます。 - 心臓への静脈還流量が増加する。
正解です。運動時の骨格筋ポンプ作用や交感神経刺激による静脈収縮、呼吸運動の増加が静脈還流量を高めます。これにより、心拍出量が増加し、運動時の血液循環が効率化します。
ワンポイントアドバイス
運動時の血液循環の変化は、「酸素供給の増加」と「体温調節」の2つの目的を理解することが重要です。特に、骨格筋血流の増加や皮膚血流の調節、内臓血流の低下は運動生理学の基本的な知識として頻出です。静脈還流量の増加が心臓の働きと密接に関連することも押さえておきましょう。