右心不全の症候として正しいのはどれか。2つ選べ。
- 肺水腫
- 肝脾腫
- 起坐呼吸
- 下肢浮腫
- チアノーゼ
解答解説
正解は2. 肝脾腫と4. 下肢浮腫です。
右心不全では、右心系のポンプ機能低下により、静脈還流がうっ滞します。この結果、全身の静脈系に血液が停滞し、肝臓や脾臓が腫大(肝脾腫)し、下肢や体腔(胸水、腹水)に浮腫が現れます。一方、肺うっ血による症状(肺水腫や起坐呼吸)は、左心不全で特徴的です。
各選択肢の解説
- 肺水腫
肺水腫は、左心不全に伴う肺静脈圧の上昇によって発生します。右心不全では直接的に関与しません。この選択肢は誤りです。 - 肝脾腫(正解)
右心不全では、静脈還流のうっ滞が肝臓や脾臓に影響し、肝脾腫が発生します。正しい選択肢です。 - 起坐呼吸
起坐呼吸は左心不全による肺うっ血が原因で生じる症状です。右心不全では主な症状として現れません。この選択肢は誤りです。 - 下肢浮腫(正解)
右心不全では静脈還流のうっ滞により下肢に浮腫が生じます。正しい選択肢です。 - チアノーゼ
チアノーゼは低酸素血症により生じますが、右心不全で必ずしも発生するわけではありません。慢性の重度右心不全では見られることがありますが、代表的症状ではありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
右心不全では、全身静脈系のうっ滞に伴う症状が中心です。代表的なものに肝脾腫、下肢浮腫、腹水、頸静脈怒張があります。これらを押さえると、左心不全との違いが明確になります。