第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題64

交感神経の作用はどれか。

  1. 瞳孔の縮小
  2. 膀胱の収縮
  3. 心拍数の減少
  4. 気管支の拡張
  5. 膵液の分泌促進

解答解説

正解は4. 気管支の拡張です。

交感神経は、身体を「闘争・逃走(fight or flight)」状態に適応させるために働きます。この作用には、気管支を拡張して酸素の取り込みを増加させることが含まれます。これにより、運動時やストレス時に必要な酸素供給を効率よく行えるようになります。

各選択肢の解説

  1. 瞳孔の縮小
    瞳孔の縮小は副交感神経の作用です。交感神経が働くと瞳孔は拡大します。この選択肢は誤りです。
  2. 膀胱の収縮
    膀胱の収縮(排尿筋の収縮)は副交感神経の作用です。交感神経が働くと膀胱括約筋が収縮し、排尿を抑制します。この選択肢は誤りです。
  3. 心拍数の減少
    心拍数の減少は副交感神経の作用です。交感神経が働くと心拍数が増加します。この選択肢は誤りです。
  4. 気管支の拡張(正解)
    気管支の拡張は交感神経の作用であり、酸素供給を増加させるために重要です。正しい選択肢です。
  5. 膵液の分泌促進
    膵液の分泌促進は副交感神経の作用です。交感神経が働くと消化活動は抑制されます。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

交感神経の主な作用として覚えるべきポイント:

  • 瞳孔拡大
  • 心拍数増加
  • 気管支拡張
  • 消化活動抑制(唾液・膵液分泌の減少、腸の蠕動抑制)
  • 血圧上昇(血管収縮による)

これらの特徴を押さえると、副交感神経との違いが明確になります。