慢性非特異的腰痛の理学療法介入方法について、理学療法診療ガイドラインで強く推奨されているのはどれか。
- 超音波
- TENS
- 腰椎牽引
- 寒冷療法
- 認知行動療法
解答解説
正解は5. 認知行動療法です。
慢性非特異的腰痛の理学療法診療ガイドラインでは、認知行動療法(CBT: Cognitive Behavioral Therapy)が強く推奨されています。慢性腰痛では、心理的要因や行動習慣が痛みの持続や悪化に大きく関与するため、患者の痛みへの認知や行動を変容させることが治療効果を高める重要なアプローチとなります。
各選択肢の解説
- 超音波
超音波療法は、急性期の痛みや炎症軽減に用いられることがありますが、慢性非特異的腰痛に対する有効性は限定的で、ガイドラインでの強い推奨はありません。この選択肢は誤りです。 - TENS
経皮的電気神経刺激(TENS)は、痛みの一時的な緩和に有効ですが、慢性腰痛において長期的な治療効果があるとはされておらず、強く推奨されていません。この選択肢は誤りです。 - 腰椎牽引
腰椎牽引は一部の症例で症状の軽減に効果があることも報告されていますが、慢性非特異的腰痛における有効性は十分な根拠がなく、ガイドラインでの強い推奨はありません。この選択肢は誤りです。 - 寒冷療法
寒冷療法は、急性期の痛みや炎症軽減に使用されることが一般的であり、慢性非特異的腰痛に対する有効性は限定的です。この選択肢は誤りです。 - 認知行動療法(正解)
認知行動療法は、患者の痛みに対する不安や回避行動を改善し、活動量を増加させることを目的とした介入法であり、慢性腰痛治療において最も有効であるとされています。ガイドラインでも強く推奨されています。正しい選択肢です。
ワンポイントアドバイス
慢性非特異的腰痛では、心理的要因(恐怖回避行動や痛みへの過剰な認知)が痛みの悪化に関与することが多いです。そのため、認知行動療法や運動療法が推奨されます。物理療法は補助的な手段と位置づけられることが多いため、慢性腰痛治療の優先順位を理解しておきましょう。