第52回理学療法士国家試験　午前問題37

工場生産労働者の腰痛対策として、産業理学療法の観点から優先度が低いのはどれか。

解答解説

正解は3．職場の配置転換です。

産業理学療法の目的は、労働者の健康を守りながら作業環境や動作を改善し、腰痛の発生や再発を予防することです。配置転換は一時的な対応としては有効な場合もありますが、根本的な作業姿勢や環境、ストレス管理の改善が優先されるため、産業理学療法の観点からは優先度が低いといえます。

作業姿勢の評価
作業姿勢の評価は、腰痛予防において最も重要なポイントの1つです。 不良姿勢が腰痛のリスクを高めるため、評価を通じて改善策を立てることが優先されます。この選択肢は重要です。
作業方法の変更
作業負担を軽減するための方法変更（例：荷物の持ち上げ方の改善や補助具の導入）は、腰痛対策の基本的な対応です。この選択肢も優先度が高いです。
職場の配置転換(正解）
配置転換は、特定の業務における腰痛リスクを軽減する手段として有効な場合がありますが、労働者全体の腰痛リスクを減らす根本的な対策とは言えません。 このため、産業理学療法の観点では優先度が低いと判断されます。
ストレスの軽減
心理的ストレスは筋緊張を高め、腰痛の原因になることがあります。産業理学療法では、ストレス管理や職場環境の改善が重要な腰痛対策の一環となります。この選択肢は優先度が高いです。
労働生産性の維持
腰痛対策を通じて健康と安全が確保されることで、労働生産性の維持にもつながります。産業理学療法の最終的な目標の1つであり、この選択肢も重要です。

産業理学療法では、個人の健康維持と作業環境の改善を両立するアプローチが重要です。特に、作業姿勢や作業方法の評価・改善は腰痛対策の中心となります。一方、配置転換は対症療法的であるため、根本的な対策を優先することが求められます。