第52回理学療法士国家試験　午後問題51

上腕骨小結節に付着する筋はどれか。

1. 棘下筋
2. 棘上筋
3. 肩甲下筋
4. 小円筋
5. 上腕二頭筋

解答解説

正解は3. 肩甲下筋です。

上腕骨小結節は、肩関節の前面に位置する部位であり、肩甲下筋（棘下筋、棘上筋、小円筋と共にローテーターカフを構成する筋の1つ）が付着します。肩甲下筋は肩関節の内旋を主な作用とし、肩関節の安定性にも寄与します。一方、棘上筋、棘下筋、小円筋は上腕骨大結節に付着します。

各選択肢の解説

1. 棘下筋
   棘下筋は、肩関節の外旋を担う筋で、上腕骨の大結節に付着します。この選択肢は誤りです。
2. 棘上筋
   棘上筋は、肩関節の外転を補助する筋で、上腕骨の大結節に付着します。この選択肢は誤りです。
3. 肩甲下筋(正解）
   肩甲下筋は肩関節の内旋を担う筋で、上腕骨の小結節に付着します。正しい選択肢です。
4. 小円筋
   小円筋は肩関節の外旋を担う筋で、上腕骨の大結節に付着します。この選択肢は誤りです。
5. 上腕二頭筋
   上腕二頭筋は、主に肘関節の屈曲と前腕の回外に作用する筋であり、上腕骨には直接付着せず、長頭は肩甲骨の関節上結節、短頭は烏口突起に付着します。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

上腕骨小結節は肩甲下筋が付着し、内旋を担います。これに対して、上腕骨大結節には棘上筋、棘下筋、小円筋が付着し、外旋や外転を担います。これらの付着部位と作用を区別して覚えることで、ローテーターカフの理解が深まります。