胸髄損傷者の褥瘡予防で正しいのはどれか。
- 30度側臥位にする。
- 体位変換は6時間ごとに行う。
- 褥瘡の好発部位に円座を用いる。
- ベッドアップは80度以上にする。
- 褥瘡の好発部位をマッサージする。
解答解説
正解は1. 30度側臥位にするです。
30度側臥位は、褥瘡予防のために推奨される体位です。通常の側臥位(90度側臥位)では、骨突出部(大転子など)への圧力が集中しますが、30度側臥位では圧力が分散され、皮膚の血流が維持されやすくなります。この体位を取り入れることで褥瘡発生のリスクを低減できます。
各選択肢の解説
- 30度側臥位にする(正解)
褥瘡予防に適切な体位で、圧迫の分散効果が高いため、推奨されています。正しい選択肢です。 - 体位変換は6時間ごとに行う
体位変換は2時間ごとに行うのが基本です。6時間ごとでは圧迫時間が長くなり、褥瘡リスクが高まるため不適切です。この選択肢は誤りです。 - 褥瘡の好発部位に円座を用いる
円座は皮膚や組織に対して不均一な圧力をかけるため、血流を妨げ、逆に褥瘡を悪化させる可能性があります。この選択肢は誤りです。 - ベッドアップは80度以上にする
ベッドアップの角度が高すぎると、仙骨部や坐骨部に圧力が集中し、褥瘡のリスクが増加します。褥瘡予防のためには、30~45度程度のベッドアップが適切です。この選択肢は誤りです。 - 褥瘡の好発部位をマッサージする
褥瘡の好発部位をマッサージすると、皮膚や組織が損傷を受け、状態を悪化させる可能性があります。マッサージは推奨されません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
褥瘡予防では、圧力の分散と頻繁な体位変換が基本です。30度側臥位は圧力分散の観点で特に効果的とされています。円座やマッサージなど、皮膚や組織への負担を増やす行為は避けるようにし、適切な支援用具や姿勢管理を取り入れることが重要です。