第52回

第52回理学療法士国家試験 午後問題48

端座位で一側の股関節を屈曲する際に抵抗をかけたところStrümpell現象が出現し、歩行動作の練習に役立てようとした。観察された動きはどれか。

  1. 股関節外旋
  2. 膝関節屈曲
  3. 膝関節伸展
  4. 足関節背屈
  5. 足関節底屈

解答解説

正解は4. 足関節背屈です。

Strümpell現象は、錐体路障害を持つ患者に見られる病的反射の1つです。端座位で股関節を屈曲する際に抵抗をかけると、病的反射として同側の足関節背屈が誘発されることがあります。この現象は、歩行動作での反射的な下肢運動を引き出す際に役立てられることがあります。

各選択肢の解説

  1. 股関節外旋
    Strümpell現象では、股関節外旋は関与しません。この選択肢は誤りです。
  2. 膝関節屈曲
    Strümpell現象は主に足関節の背屈が誘発されるものであり、膝関節屈曲は観察されません。この選択肢は誤りです。
  3. 膝関節伸展
    膝関節伸展もStrümpell現象の特徴ではありません。この選択肢は誤りです。
  4. 足関節背屈(正解)
    Strümpell現象の典型的な動きであり、錐体路障害の患者において股関節屈曲の抵抗が足関節背屈を引き起こします。正しい選択肢です。
  5. 足関節底屈
    Strümpell現象では足関節底屈は観察されません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

Strümpell現象は錐体路障害の診断に役立つ病的反射の1つです。特に、歩行リハビリにおいて、この反射を利用して足関節背屈を誘発することで、麻痺側の歩行動作を支援する一助となる場合があります。錐体路障害に関連する他の反射(Babinski反射など)と併せて理解を深めましょう。