Duchenne型筋ジストロフィーについて誤っているのはどれか。
- 小学校3〜4年では書字動作は保たれる。
- 小学校高学年ではトイレ動作に介助が必要である。
- 小学校高学年での歩行消失後は四つ這い生活を積極的に指導する。
- 小学校高学年から中学校では美術の時間に補助具の工夫が必要である。
- 中学校から高校ではパソコンの入力装置に工夫が必要である。
解答解説
正解は3. 小学校高学年での歩行消失後は四つ這い生活を積極的に指導するです。
Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)は、進行性の筋力低下を特徴とする疾患であり、特に四肢および体幹の筋力が徐々に低下します。歩行消失後に四つ這い生活を行うと、筋肉や関節への負担が増加し、変形や拘縮の進行を助長する可能性があるため、四つ這い生活は推奨されません。車椅子の使用や座位姿勢の維持を中心とした支援が重要です。
各選択肢の解説
- 小学校3〜4年では書字動作は保たれる
Duchenne型筋ジストロフィーでは、書字動作に関与する手指の細かい筋力は比較的保たれ、特に小学校3〜4年生の段階では書字動作はまだ可能です。この選択肢は正しいです。 - 小学校高学年ではトイレ動作に介助が必要である
小学校高学年になると、下肢筋力が著しく低下し、移動や立ち座り動作が困難になるため、トイレ動作には介助が必要となります。この選択肢は正しいです。 - 小学校高学年での歩行消失後は四つ這い生活を積極的に指導する(正解)
歩行消失後は、四つ這いの生活は関節拘縮や負担を助長する可能性があるため、推奨されません。車椅子での生活を基盤に、座位や姿勢の保持を支援することが適切です。この選択肢は誤りです。 - 小学校高学年から中学校では美術の時間に補助具の工夫が必要である
上肢の筋力低下が進行する時期には、美術などの作業を行う際に補助具(筆記具を保持するための装置など)の工夫が必要です。この選択肢は正しいです。 - 中学校から高校ではパソコンの入力装置に工夫が必要である
中学校から高校の時期には、手指や上肢筋力の低下がさらに進行し、パソコンの入力装置や操作補助具が必要となる場合があります。この選択肢は正しいです。
ワンポイントアドバイス
Duchenne型筋ジストロフィーでは、成長段階に応じた適切な支援と生活環境の整備が重要です。四肢や体幹の筋力低下に伴い、姿勢保持や移動の補助、活動範囲を拡大するための補装具や支援機器が求められます。四つ這い生活は推奨されないことを覚えておきましょう。